渡米前に日本でしかできないことをやっておいた方がいい
アメリカ大学院出願から合格までについて書きました。
合格の通知をもらったのは3月の末、実際の渡米は7月の末だったので4か月くらいありました。
この2006年7月の渡米から2016年9月まで、10年以上の間ほぼアメリカに行きっぱなしでした。
別に日本に絶対に戻れないわけではないですが、自分の場合はアメリカ大学院留学は就職と同じだったので、『日本に滞在する=収入がゼロになる』わけで、長く日本に滞在するチャンスはありませんでした。
だいたい年に1回、2週間ほど日本に年末年始に帰るか帰らないかといった感じでした。
アメリカ理系大学院在学中の反省点に書いたようにもう少しうまくやれたかもしれませんが、今振りかえれば20代から30代前半までは自分が社会でやっていけるか自信がなかったので、必死に目の前のことをやるしかなかったんだと思います。
またサラリーマンになると一段と日本には戻りづらくなります。
まずビザ的に、学生ビザ(F1)から就労ビザ(H1B)への切り替え時や、グリーンカード取得時など、ビザ切り替え中はアメリカ国外に出ないように言われます。
またギークなプログラマが好きな場所で好きな時間に働くというシリコンバレーのイメージは既に昔話になっていて、これだけソフトウェア産業が巨大なビジネスになってしまうと、どうしても人は組織的に管理されてしまいます。
オンラインよりもオフラインでのコミュニケーションに流行りはシフトしていて、リモートワークもなくなり、個人のスペースも取り払われていっています[ref]シリコンバレーは伝統的な日本企業っぽくなっていって、日本の伝統的企業は逆にリモートワーク推進の流れなのでおもしろいですね。[/ref]。
もし自由にやりたいのならば、Google、Facebookのような(もはや伝統的)大企業は避けて、数人でやっているようなスタートアップをお勧めします。
話がそれましたが、一度アメリカに行ってある程度頑張ると決めたならば日本に戻ってくることは簡単ではなくなるので、やりたいことのうち日本でしかやれないことを考えて渡米前にやっておくことをおすすめします。
自分の場合はやりたいバイトがあったので、それをこの時やっておけばよかったなと後悔しています。
未成年は不自由ですが、20歳になると年齢でできないことはなくなります。
しかしそれは永遠ではなく35歳を過ぎるとそのボーナスタイムは終わります。
留学して卒業後に日本に帰ってくるつもりならばいいですが、私のように渡米の目的が就職の場合は10年くらいは日本を離れることになり、帰ってきたら30歳を過ぎているので、そのつもりで人生計画をするべきだと思います。
渡米前にやっていたこと
まずプログラミングのバイトをしていました。
1年間英語の勉強ばかりしていたので、リハビリと称してやっていました。
自転車の乗り方と一緒で、プログラミングはやらないと忘れるものではないことを学びました。
バイトが週3日くらいで、他の空いている時間は物理の勉強をしていた気がしますが、あまり記憶に残っていないのでそこまで熱心にやってなかったのかもしれません。
UC Berkeleyの機械工学の場合、入学して1年後(修士を持っている人は半年後)にpreliminary examというペーパー試験に合格する必要があるのですが、正当なエンジニアリング教育を受けていない自分を指導教官は心配して、日本にいる間に少し勉強しておきなさいと言われた気がします。
今振り返れば、やらなければいけないのは物理の中の力学だったのですが、波とかあまり関係ない分野の教科書を読んでいた気がします。
そのくらい機械工学とはどんな分野かよくわかってない状態だったというわけで、今振り返れば本当に合格もらえて幸運だったなと思います。
とはいっても、そんな私でも先ほど書いたpreliminary examは普通に合格した中で、機械工学の修士を持ちながら入学してきてpreliminary examに合格できなかった人もたくさんいます。
つまりアメリカの大学院のセレクションシステムは学力における公平なゲームではなく、少なくとも勉強のできる人が必ずしも選ばれているわけではないというのは確かなようです。
初めての時はすごく緊張した
いまでは渡米するのはふらっと近所に出かけるの同じくらいに気楽になっていまいましたが、当時はすごくドキドキしていたような気がします。
アメリカがどういうところかまったくわからなかったので、現地で買えるようなシャンプーやリンスまでスーツケースに詰めて持っていったのを覚えています。
現地に二週間だけホテルを予約しておいて、その滞在中に家を探そうと思っていました。
最終的には応募していた学校の寮に入れることになったので、そこに最初の1年間は住むことになりました。
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