世の中の進化の速度に僕らの学習速度は追いつけない

博士論文の提出

博士論文を書く作業というのが大学院博士課程の一番のハイライトのはずです。

『はずです』と書いたのは、自分の場合は就職が既に決まっていたのでとにかく終わらせたいという気持ちのほうが大きかったです。

他の学部や研究室は知りませんが、私のところはそれまでに書いた論文を並べて、イントロダクションとまとめを書くだけでよかったので、それ自体はそれほど重いものではありませんでした。

私の博士論文のメインパートは3章からなっていて、そのうちの1章目は3学期目に書いてリジェクトされた論文の全面書き直し(これは最終的に2014年に発表された)、2章目は3年目に始めてアクセプトされた論文を、最後の3章目が2章目の発展形(まだ単著としては発表されていない)です。

博士論文は就職が決まった2011年の3月から精力的に書き始めて、提出の12月までほぼ毎日それにかかりっきりでしたが、その大部分は3章目の部分に費やしていたと思います。

問題自体は企業から来たニッチな問題でしたが、最後にとりあえず理論的にはきれいに解けた気がしたので、自己満足しています。

学校によっては博士論文が完成した後も、ディフェンスと呼ばれる口頭試問があって、そこで厳しく審査されたりするようですが、私の在籍していたUC Berkeleyの機械工学では、どちらかというとセレモニー的にプレゼンテーションをして終わりだったので、そこは特に問題なしでした。

こちらが私の博士論文です。

最後の3章目もいつか発表する機会があればいいですね。

 

ポートランドへの引っ越し

当時のメールを見ると、博士論文の提出が12月16日で、一週間後の23日に引っ越しをしています。

16日ぎりぎりまで論文は書いていて、それを出すや否や部屋の片づけと引っ越し準備を始めました。

あまり感傷に浸ったり、別れを惜しんだりする余裕もなく、せわしなく次の場所へ引っ越していった感じです。

大学院時代は最初から最後までただ目の前のことをひたすらこなしていくばかりで、俯瞰的に深く考える時間はなかったです。

就職後も同じことを考えましたが、自分がアメリカ人だったら、休学したり就職してみたりと気分転換もできますが、外国人という弱い立場だとビザの問題もあり、学校で言われるがままになってしまいがちなので難しい日々でした。

 

留学時代を振り返って

留学は最悪のスタートを切ったという記事から、ずっと留学時代を振り返ってきましたが、履修した授業やちょっと研究のことを書いただけでもかなりの量になってしまいました。

生活面についてはまた改めて振り返るかもしれませんが、そもそも語るべきプライベートも大してないかもしれません。

自分はあまり過去を振り返らないほうなのと、既に8年から14年前の話なので正直なところ記憶があいまいです。

昨年末からサラリーマンを離れて時間を作りやすくなったので、またブログを書きはじめました。

1年くらい間が空いていましたが、今でもとてもたくさんの方に見ていただいているようです。

何かお役に立てる情報があれば幸いですし、単純にエンターテイメントとして楽しんでいただけたらそれはそれでありがたいです。

個人的にはずっと忘れていた当時のmixiの日記をたまたま見つけることができてよかったです。

根本的な部分で自分が変わっていないことを発見したのが意外でした。

今回書いたことも、これもまた自分自身の興味として5年後、10年後に読んでみるのを楽しみにしています。

今振り返って、私の大学院生時代は、まだスマホが本格的に普及する以前の時代のせいか、20代という年齢のせいなのか知りませんが、目の前のことに夢中になっているだけでよかった幸せな日々でした。

小学校・中学校・高校・大学と、どんどん難しいことを勉強していくわけですが、その一番先には何があるのかなと子供のころは気になっていました。

大学院に来る前までは、その『一番先の部分』には、がんばっていればいつかたどり着くことができると思っていましたが、実際はそれは止まっている点ではなく自分が勉強するスピードよりも速いスピードで遠くに動いていく点であり、一生たどり着くができないということがわかった5年半でした。

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プロフィール

yu. (Ph.D. UC Berkeley)   

慶応大学環境情報学部を首席で卒業。日本のベンチャー企業で働いたのち、アメリカにわたり、カリフォルニア大学バークレー校にて博士号を取得。専攻は機械工学、副専攻はコンピュータサイエンス。卒業後はシリコンバレーの大企業やスタートアップでプログラマとして働いていました。現在はフリーランス。毎日好きなものを作って暮らしてます。

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