
そもそも何が必要かはやってみないとわからない
大人になって振り返って見ると、日本の高校までの教育内容というのは、将来どのような分野に進むことになっても基礎となるであろう知識が、効率よく整理されているように見えます。
しかし高校生の目線から見ると、何のためにそれを勉強しているのかは非常にわかりにくいのではないかと思います。
以前に高校教育から数学という科目はなくすべきという記事を書きました。
高校までで習う数学は現代社会の様々な分野で基礎となっていますが、その使われ方は多くの高校生にとってはそれほど明らかではないと思います。
それならば、いっそゲームを作るという目的を先に設定して、ついでに高校数学を学ぶというスタイルにしたほうが、多くの高校生にとっては勉強のモチベーションがあげやすいのではないかという提案です。
そもそもゴールの見えない状況で何かをやらされるのは、多くの人にとっては単なる苦行ではないでしょうか?
トップダウンで勉強すると多くの分野に詳しくなれる
理系以外の方達の理系の人間に対する印象というのは、数学、物理、化学、生物など、全ての理系科目に秀でている人というイメージがあるのではないでしょうか?
しかし実際には超一流の研究者でも、それらの一部にしか詳しくありません。
高校までで習うくらいの範囲ならば全ての分野に精通することは可能だと思いますが、ある程度のレベルになると全てを知ることは時間的に不可能です。
つまり嫌が応にも勉強する分野を絞る必要があります。
それだったら出来るだけ早い段階で目指したいゴールを設定してしまい、そこからトップダウンで必要な知識だけをつまみ食い的に勉強して行った方が効率がいいと思います。
この方法ですと時間が節約できるので、結果として多くの分野に他の人よりも少し詳しくなります。
食べていくのに超一流である必要はない
三流でも普通に仕事はできます。
何が専門ですかと問われたら、私はだいたいCG(コンピュータグラフィックス)だと答えます。
しかし私のCGの知識は、その分野の一流の研究者と比較すると圧倒的に限られています。
それでも他分野のプログラマの中に混じると、十分にCGの専門家として見てもらえます。
他の人よりも少し詳しいだけでも特別な人として扱われるのです。
何かの分野で一流になるのはとても大変です。
もし仮になれたとしても時間がかかりますし、そしてその座をキープするための努力もし続ける必要があります。
しかし人より少し詳しくなるくらいならばそんなに大変ではありません。
特定の分野でとても深い知識を持つよりは、広い範囲で人よりも詳しい分野を持っていた方が食べて行く方法を確保するという点でも優位に働くと思います。
あなたが何かの分野で超一流だったとしても、その分野自体が潰れてしまうかもしれません。
インターネットが完全にインフラとなった現代では、深い知識は検索すれば手に入ります。
コンピュータサイエンスの分野で、論文をオンライン上で公開しない人はまずいないでしょう。
しかしどんな知識もインターネットで手に入るとはいえ、知らないことは検索できません。
だとすると大事なのは引き出しの量、つまり広く少しだけ深い知識なのではないでしょうか?
高校で習う知識があればなんでもトップダウンで勉強できる
何を学習するにしてもある程度の基礎は大切ですが、高校までで習う教育内容が頭に入っていれば、どんな分野の勉強をすることになっても十分に基礎があると言えます。
そして仮にそれが抜け落ちていたとしても、大人になってそれを再学習するのはそんなに難しいことではありません。
何よりもその時には高校生の頃と違い『何のために勉強するのか』ということがはっきりしているので、勉強のモチベーションが全く異なるはずです。
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