大学院でのアメリカ留学はコスパ最高

結局ほとんどの問題はお金の問題

先日は学部でのアメリカ留学はコスパ最悪という記事を書きました。

もちろんアメリカの学部での留学にもいい点はあるのですが、そのために支払わなければならない金額を考えると、コストパフォーマンスがとても悪いというのが私の考えです。

私は日本で学部を卒業した後、そのまま進学せずに企業に就職しました。

理系ならば大学院に進学するのは一般的ですが、私がそれをしなかった一番の要因はお金がないことでした。

当時はそれほど大学院というものによい印象がなく、また私は学部の時点でも貸与の奨学金を既に利用していたので、それ以上借金をしてまでそこに居続けたいとはあまり思いませんでした。

そんな話を当時研究室の留学生と話をしていたところ、海外にいけば学費を支払わなくてよく、給料まで出る可能性があることを教えてくれました。

そこから海外の大学院に進学という選択肢が視野に入り、そしてアメリカへの出稼ぎのすすめでも書いたように、アメリカのプログラマは給料が高いという噂を真に受けた私は、『アメリカに行くべきなんじゃないか?』いう考えが学部4年生の後半ごろからもたげてきます。

私は基本的にかなり引きこもり体質の人間なのですが、なぜか数年に一度アクティブになります。

アメリカ理系大学院の博士課程ならば『合格=学費免除+給料支給』

『学費免除+給料支給』とありますが、その形は様々です。

一番いいのはなんらかの奨学金をもらうことです。

しかしこれは全員がもらえるわけではないので、もらえたらラッキーだと思った方がいいと思います。

それではどのように『学費免除+給料支給』がアメリカの大学院では実現されているかというと、学内に仕事が用意されており、それをこなすことで対価が支払われるという形になっています。

UC Berkeleyでは、GSR(RA)と呼ばれる研究の仕事、GSI(TA)と呼ばれる授業のサポートをする仕事、そしてReaderと呼ばれる試験や宿題を採点する仕事の3種類がありました。

GSRはそれぞれの教授が政府や企業から集めてきたお金を原資としています。

研究をすることでもらえる対価なので、よっぽどやりたくない研究でもない限り実質何も仕事をせずにお金がもらえるのと同じです。

私もほとんどの期間をGSRによりお金をもらっていました。

特に私の指導教授は『お金を払っているのだから働け』といったプレッシャーをあまりかけてくる人ではなかったので、とても助かりました。

GSIのメインの仕事は週1時間の授業をやることです。

私はコミュ障のくせに、人前で話すことはわりと好きなのでこれも楽しかったです。

質問に答えたり宿題の手伝いをしたりすることで、学部生と楽しく過ごしたのもいい思い出です。

また学校で教えている方には当たり前のことなのかもしれませんが、授業中によく質問をする学生の出来は大体真ん中くらいで、よく出来る学生は静かなので授業中に目立たないという、おもしろい発見もありました。

GSIは少し時間的な負担がありますが、逆に先生からの研究をしろというプレッシャーはゼロなので、授業の課題をこなすだけで忙しい最初の数年間はGSIやReaderの方がいいかもしれません。

困ったときの行動力は大事

毎年新入生募集の段階で、それぞれの教授のGSR用の予算とGSIのポジション数を勘案した上で、入学許可を出す人数を決定しているようです。

したがって現状ポジションがなくて困っている学生も、事務に相談すると予算の余っている先生を教えてくれ、そこで働くように指示してくれます。

私の場合は入学許可通知の段階ではポジションが保証されていませんでした。

それでは困るので、その通知をもらった直後に人生で初渡米をし、先生に直接交渉をしてGSRのポジションを約束してもらいました。

せっかく入学許可をもらえても『学費免除+給料支給』がその時点で保証されていない方は、行ってからでもなんとかなるのですが、入学前の時点でも積極的に事務や先生にコンタクトをとってポジションを確保しておくと、安心してアメリカに渡れると思います。

余談ですがその初渡米時の私の英語力は悲惨で、入国審査官の「How are you?」という質問に対して「Traveling!」と答えた切ない思い出があります。。

理系ならばアメリカ大学院進学はとてもおすすめ

博士課程の学生には上記の金銭的メリットは基本的に約束されますが、修士課程の学生にはそうでないケースが多いようです。

この差により修士課程の方が博士課程よりも入学許可が出やすいようなので、とりあえずは自腹を切っても構わない方は、修士課程に出願する方が得策だと思います。

逆に博士号をとることに関心がなくても、博士課程に進学しながら修士号だけをとって就職してしまう人はたくさんいるので、一般的には『学費免除+給料支給』が約束される博士課程に出願するのがおすすめです。

しかし工学系、特にコンピュータサイエンスのような資金が非常に潤沢な分野では、GSRだけで多くの学生の学費と給料を賄えてしまうので、GSIのポジションは常に余ります

学期の最初の数週間は、GSIの成り手のいない授業の一覧がメーリングリストに流れてくるのが風物詩でした。

したがって修士課程の学生でも『学費免除+給料支給』の人がたくさんいました。

このようにアメリカの大学院には自己負担なしで勉強が出来る仕組みが整っているので、とりあえずアメリカに行きたいと思っている以前の私のような人には、大学院進学はリスク少なくアメリカ生活をスタートできるいい手段だと思います。


アメリカ大学院留学についてさらに詳しく知りたい方はこちらのnoteもぜひ読んでみてください。

留学準備から出願対策まで、余すところなく私の知る限りを書かせていただきました。

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プロフィール

yu. (Ph.D. UC Berkeley)   

慶応大学環境情報学部を首席で卒業。日本のベンチャー企業で働いたのち、アメリカにわたり、カリフォルニア大学バークレー校にて博士号を取得。専攻は機械工学、副専攻はコンピュータサイエンス。卒業後はシリコンバレーの大企業やスタートアップでプログラマとして働いていました。現在はフリーランス。毎日好きなものを作って暮らしてます。

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