エスカレーターの片側立ちと両側立ちをシミュレーションする

行列ができているのにもかかわらず片側がら空きのエスカレータをよく見ます

これは先日私が撮った写真です。

エスカレーターの右側ががら空きなのにも関わらず、左側に立つために待っている人の行列ができています。

これは駅などでよく見る光景ですが、人を捌く機械としてエスカレーターを見た場合、効率が悪いと以前から感じていました。

 

シミュレーションをしてみる

(うまく表示されされない方はこちら

立ちたい人が赤、歩きたい人が青です。

歩きたい人の割合をスライダーで決めて、『シミュレーション開始』ボタンでシミュレーションが始まります。

左のエスカレーターが片側立ち右のエスカレーターが両側立ちのシミュレーションです。

100人の立ちたい人と歩きたい人がランダムに配置された行列が、エスカレーターに乗っていく様子が観察できると思います。

 

いかに早くすべての人をエスカレーターに乗せることができるかどうか

これができれば、行列が形成されにくくなります。(例えば通勤ラッシュ時の駅のホームでは、いかにプラットホームからエスカレーターに早く人を流し、続いて到着する電車の乗客のための空間をできるだけ多く作ることが大切と考えられます。)

シミュレーションでは、行列の中の歩きたい人の割合に関わらず、両側立ちの方が常に早く行列が解消されるのが観察できるはずです。

 

先を急ぐために歩きたい人にとっても両側立ちは悪くない

例えば、歩きたい人の割合を25%に設定しシミュレーションをすると、行列の後ろの方にいる歩きたい人は、意外にも両側立ちの方が早くエスカレーターの向こう側にたどりつけることが観察できます。

このグラフは、両側立ちの時に、片側立ちの時と比べて、何秒早くエスカレーターの向こう側にたどりつけたかをプロットしたものです。

横軸は行列の中の順番、縦軸が何秒早くだどりつけたかを示しています。

シミュレーションと同じように、赤い点は立ちたい人、青い点は歩きたい人に対応します。

赤い点の縦軸の値は常にプラス、つまり立ちたい人にとっては、常に両側立ちの方が早くエスカレーターの向こう側にたどり着けることがわかります。

特にグラフが右肩上がりであることから、行列の後ろに並んでいる人ほどその恩恵を多く受けることがわかります。

歩きたい人にとっては、行列の先頭の方にいると縦軸の値がマイナス、つまり両側立ちを強制されることによってエスカレーターの向こう側にたどり着く時間が遅くなります。

しかしこのグラフで注目するべきは、大体60番目以降にいた歩きたい人たちは、両側立ちを強制されることによって早くエスカレータの向こう側にたどりつけるということです。

なぜなら両側立ちをすることで行列の解消が早まるので、先を急いでエスカレータを歩きたい人も恩恵をうけることがあるからです。

 

結局どうすればいいのか

歩きたい人はこれまで通り、前が空いている限り歩くのがいいと思います。

立ちたい人は左右関係なく空いているところに立ってしまう方が全体の効率を高めます。

 

*シンプルなルールで行く場合

混んでいるエスカレータは両側立ちの方がいいと思います。(前が空いている場合は歩きたい人は歩いて問題なしです。)

 

*もう少し複雑なルールで行く場合

都内近郊の駅でエスカレーターに並ぶ行列を見ていると、立ちたい人は初めから左側に、歩きたい人は初めから右側に列を作っているようです。

この習慣を活かして、まず最初はこれまで通り片側立ちをします。

そうすると大抵は右側の歩きたい人たちの行列が先に解消されるはずです。

その後は左側に行列を作っている人たちは、エスカレーターの左側だけでなく右側にも立てば(つまり両側立ちをすることで)、割と誰も損せずに全体としての効率が上がるのではないかと思います。

 

(付録)

(歩きたい人の割合: 10%)

(歩きたい人の割合: 50%)

 

(歩きたい人の割合: 90%)

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プロフィール

yu. (Ph.D. UC Berkeley)   

慶応大学環境情報学部を首席で卒業。日本のベンチャー企業で働いたのち、アメリカにわたり、カリフォルニア大学バークレー校にて博士号を取得。専攻は機械工学、副専攻はコンピュータサイエンス。卒業後はシリコンバレーの大企業やスタートアップでプログラマとして働いていました。現在はフリーランス。毎日好きなものを作って暮らしてます。

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