コミュ障でも勇気を出してコミュニケーションを取る

理系アメリカ大学院留学5学期目(2008年秋)

5学期目に履修した科目は以下の2科目。(成績表はこちら

  • ME 280A: Introduction to the Finite Element Method
  • CS 270: Combinatorial Algorithms and Data Structures

研究を後回しにして、時間を確保して授業に集中できたせいか充実感のある年でした。

結果としてBerkeleyにきてから初めて査読が通った論文のアルゴリズムができたのもこの学期だったので、一番安定している時期として記憶に残っています。

3年目に入って生活に慣れてきたこと、そしてその1年後はまたPh.D. candidateになるたものQualifying Examの準備があったり、就職が決まって博士論文を書いていたりとまた忙しくなっていくので、そのように記憶されているのだと思います。

 

履修科目と感想

ME280A: Introduction to the Finite Element Method

成績はA。

有限要素法(FEM)の理論を学ぶ。

2学期目に履修したME124を教えていたTarek Zohdiの授業で、彼は理論と技術的な実装に関する知識のバランスが良くて、とても話が分かりやすく毎回授業が楽しみでした。

彼は学部だけでなく、Berkeley全体のベストティーチャーにも選ばれていたと聞いたので本当にスマートで教え方が上手なんだと思います(2017年にも表彰されていました)。

最近のカリキュラムを見ると、私の専攻だったManufacturingは、彼が主体となってコンピュータシミュレーションを使ったアプローチに移行していてとてもおもしろそうです。

私が在籍していたころは、もっと伝統的な、実験をしてひたらすらデータを集めるというアプローチでした。

伝統的な製造技術だけでなく、半導体などでも一昔前までは、そこには物理に基づく理論があっても、複雑すぎて手計算ではもちろん解けず、コンピュータも非力だったので、知識よりも実験を繰り返す根気と根性がものをいう時代だった気がします。

しかしコンピュータが高性能になり、さらにAWSなどを通じて個人でも簡単に大規模な並列計算が可能となったことにより、ついにそれが逆転してしまったのがここ2010年代の大きな変化だと思います(知性を重視しない昭和の価値観を平成の次の時代には持ち込ませない)。

 

CS270: Combinatorial Algorithms and Data Structures

成績はA-。

アルゴリズムとデータ構造の応用コース。

プログラムは一行も書かず、ひたすら理論でした。

正直あまり出来は良くないと思っていましたが、結果はそんなに悪くありませんでした。

機械工学の授業は初めてのことが多くてなかなか大変でしたが、コンピュータサイエンスならば学部の頃から少しは学んでいたのでそこそこなんとかなるようでした。

この授業はチューリング賞も受賞した有名なリチャード・カープが教えていました。(wikipediaを見たら85歳の今も現役なんですね。)

100人以上いるクラスの中から、最終プロジェクトで自分のプロジェクトがベストプロジェクトの一つとして選ばれたので、記念にダウンロードしておきました[ref]余談ですが、冠詞(aとthe)の使い方がところどころ間違っていますね。

この本は過去に読んだ英語本の中で一番のおすすめです。

日本語にはない冠詞の捉え方がわかるようになります。


[/ref]。

カープの”Very interesting problem with a nice analysis and algorithm”という直筆メッセージが入っているので家宝にしようと思います。

スキャンではなくてオリジナルをもらっておけばよかったです。

 

学生のうちはオフィスアワーに積極的に行くべき

この頃から少しうまくいくようになってきたのは、がんばって先生やまわりとコミュニケーションを意識して取るようになってきたのが大きいと思っています。

先生やTAが設定しているオフィスアワーは誰でもアポなしで話ができる時間なのでこれを利用しないのは本当にもったいないです(大学は定額使い放題システム)。

当時の自分を振り返ると、大学の先生というのはなんとなく怖いイメージがあったので話しかけにくかった気がします。

しかし大抵の先生はいい人なので大丈夫です(難しい人もたまにいますが)。

初めての訪問はすごいドキドキします

でも行った方がいいです。

特に聞きたいことがなくても、先生と仲良くなる名目で知っている質問をわざわざしにいくのだっていいと思います。

オフィスアワーは先生たちにとって、いずれにしてもオフィスにいなければいけない時間なので、雑談をしに行くのだって悪くないと思います。(オフィスアワー外に雑談をしにいくのは迷惑でしょうが。)

そしてわからないことがあったときも、もちろん普通に質問して大丈夫です。

自分で永遠と悩んでいるよりも、聞いてしまった方が早く解決することはたくさんあります。

巨人の肩に乗るではないですが、人に頼るということは時間を大切にするという点でもとても大切です。

慶應SFCのときも先生たちはオフィスアワーを設定していましたが、学部時代は一度もいったことがなかったので、今思えばとてももったいなかったなと思います。

大学の先生たちはオフィスアワーについてもっと学生に知らせるといいと思います。


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プロフィール

yu. (Ph.D. UC Berkeley)   

慶応大学環境情報学部を首席で卒業。日本のベンチャー企業で働いたのち、アメリカにわたり、カリフォルニア大学バークレー校にて博士号を取得。専攻は機械工学、副専攻はコンピュータサイエンス。卒業後はシリコンバレーの大企業やスタートアップでプログラマとして働いていました。現在はフリーランス。毎日好きなものを作って暮らしてます。

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