嘘をつく人間は社会のコスト

5月 10, 2018

嘘をつくことに抵抗のない人がいる

二週間ほど前に「底辺校」出身の田舎者が、東大に入って絶望した理由という記事が話題になりました。

『地方で育つ人間は東京で育つ人間と比べて相対的に教育機会に恵まれていない』という著者の阿部幸大さんの主張自体は一つの意見として貴重です。

その後、彼の文章には嘘が紛れ込んでいることを指摘されたのですが、阿部幸大さんはその行為自体を続編の「底辺校出身の東大生」は、なぜ語られざる格差を告発したのかという記事で、自分の主張を伝えるためには必要なことだったと嘘をつくことを肯定したのがとても気になりました。

阿部幸大さん自体が博士課程に在籍する学生だということもあり、嘘をつくという人としての不誠実さに批判が集まっているのですが、そこが問題だということが認識できない人がアカデミアにいることはとても残念なことです。

 

この件に新井紀子教授が反応する

今回の件が私にとってある意味よかったのは、このブログでもたびたび話題にしている新井紀子教授の研究に対する姿勢が偶然にもよくわかったことです。

以下は阿部幸大さんの嘘に対するコメントです。

 

彼女は今回の件に対し、『細かい事実関係で云々するより、まずはそのことは受け止めて欲しい。』と述べています。

つまり新井紀子教授自身も、自分の伝えたいことを伝えるためには話に嘘を混ぜることに抵抗がないのです。

これまでも新井紀子教授の言葉には嘘が混ざっていることを指摘してきました。(「ロボットは東大に入れるか」の新井紀子教授は研究者としてすごい新井紀子教授はAIの専門家ではない 『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』

新井紀子教授の言うことは信頼できるのか?では新井紀子教授の学歴詐称を指摘し、『正しくない情報を流すことに悪気を感じない方という印象を強くした』と記事を結びましたが、今回新井紀子教授本人からそれを肯定する言葉を聞くことができ、それは確信に変わりました。

新井紀子教授が自ら信頼を失う行為を肯定するのは自由ですが、新井紀子教授のことを信頼する方々は世の中には多くおり、彼(女)らのことが非常に気の毒です。

 

学者の研究とは正しくない情報を流したり、個人の感想を述べる行為ではありません

そのようなことがしたいならば、小説など別の表現手段を用いるべきです。

 

嘘をつくのは街にゴミをポイ捨てするのと同じ

海外から日本に帰ってくると何よりも感じるのは、街に落ちているゴミがとても少ないことです。

これは道をよく掃除しているからというよりも、そもそも道にゴミを捨てることはよくないことだと認識している人が多いからだと私は考えています。

しかし昔からそうだったわけではありません。

明治時代に書かれた夏目漱石の小説『三四郎』には、空の弁当箱を鉄道の窓から外に投げる描写が出てきます。

私が子供であった20~30年前の東京でも、街を歩いていれば、吸い殻をはじめその辺にゴミを捨てる人を見ることは日常茶飯事でした。

彼(女)らがそのようなことを平気でするのは、別にモラルがないからというよりは、そもそもゴミをその辺に投げ捨てるのが悪いという認識が当時はなかったからでしょう。

誰かがゴミを捨てると、それを掃除する人が必要です。

つまりゴミをポイ捨てするという行為は、本来ならば必要のない作業を他人に要求する行為です。

だから教育によって、街にごみをポイ捨てするのはよくないということが広まった結果、そのような人は減ったのです。

嘘をつく人も同様です。

嘘をつき、それにより人々が好ましくない行動をとった場合には誰かが訂正しなければいけません。

その訂正のためのコストはそもそも嘘をつく人がいなければ必要のなかった時間と努力であり、本来はもっと生産的に使われるものであったはずです。

世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』という書籍があります。

科学的に証明されているわけではない食事に関する情報が専門家と呼ばれる人からも発信されているというのが、著者の津川友介教授がこちらの書籍を出版した理由だそうです。

社会を構成するすべての人々に誠実であれというのは難しいと思いますが、せめて専門家と呼ばれる人たちが誠実であれば、本来津川友介教授はこのような書籍を執筆することに時間を取られるのではなく、もっとほかの有意義な研究ができたはずです。

阿部幸大さんや新井紀子教授にような嘘をつくことが平気な人は、先ほどのポイ捨てをする人たちと同じで、嘘をつくことは社会に迷惑をかける行為だという認識が単純にないのでしょう。

ポイ捨てをする人が減ったのと同様に、これも教育で変えていくしかないと思います。

窓割れ理論にならって、今回の件の様に専門家が嘘をつく状況を目にした場合は、面倒でも逐一指摘していくしかないと思います。

そしてそれを継続していけば、いずれは阿部幸大さんや新井紀子教授にような人の耳にも届き、より日本社会が過ごしやすくなると信じています。

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