
アメリカサラリーマン生活4年目・2015年春
前回の記事で会社の調子はいまいちのようでしたと書きましたが、当時自分はそれに気づいておらず、淡々と言われた仕事をやっていただけでした。
マーケティングなど実際に売り上げを観察できる部門や上の方の人はそういう情報を共有していたのだと思いますが、自分は具体的なことは知らず、そういう話もエンジニアリングミーティングでは特になかったと思います。
100人くらいの大して大きくない会社でも情報は共有されないものです。
自分の仕事はバックエンドで、それまでは主にiOSの人と仕事をしていたのですが、このときはウェブのフロントエンドの人たちと仕事を始めたころだったと思います。
ある日の夜にウェブチームだけの食事会がありました。
そろそろ帰ろうかといった頃に社員全員あてのメールがきたのを覚えています。
内容は『明日大事な話をするからみんな10時に遅れないように来てください』といったシンプルなものだったと思います。
「なんだろうね?」とかみんなでいいながら、「まあ、また明日からがんばろう」みたいな感じで別れました。
次の日の朝に会社に行くと、ダイニングホールにみんなが集められて社長が話を始めました。
わりと普通の話から始まって、しばらくしてから製品が売れていないとか、そういう話になりました。
最後に『これからレイオフします。マネージャーがそれぞれのところに行くので席で待っているように』と伝えられて、話は終わりました。
しばらく待っていると、マネージャーが自分たちのチーム全員を外に出るように伝えました。
どうやらマネージャーもレイオフのことを今日まで知らなかったようで、話は本当に上の方だけで決まったようです。
自分のいたチームは幸いにも残されました。
それをマネージャーは『spared(免れる)』という言葉で表現していて、自分はその英単語の意味がわからなかったので、今自分たちが外で集められているのは最後のサヨナラの会なのだと勘違いして聞いていたのを覚えています。
昨日一緒に食事をしたフロントエンドのチームは一人を除いて全員解雇されました。
オフィスに戻ると、会社中が突然のサヨナラパーティーになっていました。
スタートアップはうまくいかないほうが通常のせいか、特に悲壮感があるわけでもなく、レイオフされた人たちも『まあしょうがないね』といった感じだった気がします。
シリコンバレーは割と狭い世界です。
このときレイオフされたウェブチームのマネージャーとはこの後も何回か個人的に会っていて、前職も彼経由で紹介されたりもしたので、自分がまたサラリーマンを将来やることがあれば彼らと再び同僚になることもあるかもしれません。
同僚が外国人メインだったIntelの時と違って、このときの同僚はアメリカ人や外国人でもグリーンカードを持っている人が多く、ビザで働いているのは自分を含めて2,3人だけでした。
不安定なスタートアップだとビザで働くのはリスクが高いからだと思います。
法律的には『レイオフ = 即日帰国』ということになっていますが、実際には3か月くらいのギャップならば大目に見てもらえるようです[ref]今はもっと厳しいかもしれません。[/ref]。
おそらく半分以上が解雇されたので、次の日からオフィスが静かになりました。
前のオフィスの雰囲気は騒々しくてどちらかというと好きではなかったので、解雇された人たちは気の毒ですが、 個人的には少し落ち着けて良かった面もありました。
当時の記事を見るとこのレイオフは2月の終わりだったようです。
自分のチームの何人かはすぐに次の仕事に回されましたが、自分の場合は次のプロジェクトであるVRの仕事を始めたのは夏だったと記憶しています。
つまりその先数か月は、会社が諦めてしまった商品の最後のソフトウェアアップデートを作っていたようです。
初めて中国に行った
自分はなぜか小さなころから中国に憧れがありました。
大学でも中国語の勉強を結構熱心にやっていたのですが、それから10年以上たってついにこの頃初めて行くことができました。
とても面白かったですが、できれば2008年の北京オリンピックの前にも一度行ってみたかったと思います。
この頃はすでに新幹線が全土に張り巡らされていて、2週間弱の旅行でしたが、上海から杭州、成都、西安、北京、そしてまた上海と、たくさんの都市を回ることができました。
またすぐに行きたいと思っていましたが、この時からまた5年がたってしましました。
あのときの中国からさらに変化していそうです。
日本でも時々話題になりますが、中国人の友人曰くここ数年の変化は街中にカメラが急に増えたことだそうです。
ディープラーニングの進化により、無人で交通違反を取り締まることができるようになったのが大きなイノベーションだと言っていました。
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