
お金がたくさんあっても売っていないものは買えない
今年は2006年以来11年ぶりに年末年始をゆっくりと日本で過ごしました。
アメリカで暮らしている間は、日本に帰ってくる度に食事が楽しみでした。
レストランだけでなくスーパーの品ぞろえを見ても、これだけバリエーションがあり、安価で、クオリティが高いものが揃っているのは本当にすごいと思います。
私は日本とアメリカでしか暮らしたことはありませんが、 間違いなく世界一豊かとされているアメリカよりも日本の方が商品・サービス的に恵まれています。
アメリカへの出稼ぎのすすめでも書いたように、エンジニアであればアメリカの方が金銭的に報われる可能性は高いですが、たくさんお金があってもアメリカで売っていないものは買えません。
アメリカ人にはバーベキュー以外の楽しみがない気がします。
消費者としての楽しいのはやっぱり日本だと思います。
日本に比肩するような商品・サービスが提供されている国は他にあるのでしょうか?
日本が豊かな国でないのならば豊かな国は世界に存在しないと言っても過言でない気がします。
選択肢があることが人生を楽にする
日本は消費者の側からしたら天国のようですが、サービスの提供者側からしたら地獄のようだという意見はよく聞かれます。
実態としては、悲惨な職場もありますし、そうでない職場もあります。
誠実で思いやりがあることはとてもいいことでも書きましたが、仕事自体がとても楽しいものでも、変な人が一人でもいればその職場は地獄になります。
自分と異なり他人や環境はまず変えることはできません。
現在いる場所の居心地が悪ければ、他の場所に行くのが一番簡単な方法です。
もしその居心地の悪さが日本社会の習慣によるものならば、国外に出た方がいいかもしれません。
外国に出ずとも居心地のいい場所が日本列島の中に見つかれば本当は一番いい
人工の概念と自然の概念を区別することの難しさという記事で、私たちが自然に受け止めている習慣が実際は人工的なルールによってもたらされている場合があるということを書きました。
たとえば夫婦別姓問題のように、一部の人にとって納得のいかない習慣が、単に日本政府の決めた人工的な決まりに起因しているというのはよくあることだと思います。
現在のところ日本列島は一つの政府によって支配されていますが、本来的には政府が一つである必要はないはずです。
日本列島内で常に一つのルールを決めてみんながそれに合わせるよりも、似たような考え方の人が集まってそれぞれの政府を各々独立に運営した方が、幸せになれる人が相対的に多くなるかもしれません。
二大政党制でお茶を濁すよりも、例えば日本列島内に二つの異なる政府があって、それぞれを現在日本のパスポートを持つ人は自由に行き来できるという仕組みの方がよりスマートな感じがします。
日本列島に複数の政府があれば社会実験もしやすくなるでしょう。
リスクよりもリターン重視の政府ならば、ベーシックインカムや暗号通貨を貨幣として利用するなど、新しい試みが今よりもやりやすくなると思います。
例えば私は日本の職場環境における様々な問題の大元は、日本政府が終身雇用を義務付けている事だと考えています。
したがって、もう一つの日本政府はいつでも従業員を解雇可能な仕組みにしたらどう社会が変化するのか見てみたいです。
既存の日本政府は終身雇用を義務付けたままなので、それが好ましい人は移動しなければ問題ありません。
均質化するよりも多様な方がいい
先進国において顕著ですが、同じ政府に支配される地域は概して均質化します。
人工の概念と自然の概念を区別することの難しさでも書きましたが、学校教育により人々の使う言語が均質化しますし、同じ交通ルールが使われるので風景も似ています。
標識や信号機を見れば、ホノルルがアメリカ政府支配下であったり、那覇が日本政府支配下であるには一目瞭然です。
しかしこのことは、同一政府支配下地域においては主要とされない言語(方言)や文化が消えていくことを意味します。
同一政府下において一つの言語が教育されるのは単純に便利さのためであると思いますが、それを究極に推し進めるのならば、日本の学校教育を小学校からすべて英語にしてしまえばより便利です。
極端な考えのようですが、20年もすれば日本語は会話以外できないが、英語の読み書きは流暢な日本人が多数生まれると思います。
しかしそれは便利ですがつまらないと私は思います。
いいか悪いかは知りませんが、世界の均質化は国境でせき止められています。
日本列島のなかに複数の政府があって、それぞれが異なる教育やルールを用いた方が多様な人々や文化が日本列島の中に生まれる気がします。
そして何よりも、政府を選べるという選択肢があるのは多くの人にとって逃げ場があるということなので、究極のセーフティーネットにもなるのではないでしょうか?
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