
消費者側には銀行間の送金手数料を回避する方法がある
アメリカで働き貯めた資産を、日本などのアメリカ国外でどう使用するかというのはアメリカ在住者の一つの問題だと思います。
国際送金手数料は大抵3%を超えるので、無視をするには大きな金額です。
海外旅行におけるお金の管理は昔と比べてとても楽になりました。
私が学生だった2000年代前半はトラベラーズチェックを持ち歩いてバックパッカーなどしていましたが、現在ではよっぽど辺鄙なところでない限り、世界のどこに行ってもATMがあり、普段使っているATMカードでその国の通貨を引き出すことができます。
しかし利便性は上がったとはいえ、手数料の問題はまだ解決していません。
ブロックチェーンを利用して送金手数料を下げようという動きが出ていますが、その実現を待たずとも、消費者側にとっては既存のシステムを利用して手数料ゼロで国際送金をする事は可能です。
国際決済手数料無料のクレジットカードがあればまず問題ない
日本でもクレジットカードがコンビニやスーパーでも当たり前のように使えるようになり、日本はクレジットカードが使えないという国という話は昔話になりつつあります。
通常クレジットカードを国外で使うと3%ほどの手数料がかかり、これは安くはありません。
しかしアメリカ国外で使用しても手数料を取られないクレジットカードはいくつか存在します。
こちらのCredit Cards with No Foreign Transaction Feesにはそのようなカードがリストされており、私は一番上の年会費無料のBank of America Travel Rewardsカードを使っています。
そしてバックアップにこちらのAmazon Rewards Visa Signature Cardsを使っています。こちらも国際手数料が無料です。
これらのカードがあれば、クレジットカードが通用する限り、日本を含む世界のどこに行ってもアメリカの銀行口座から手数料なしでお金が引き出せるのと同じです。
現金が必要なこともある
家賃をはじめ、クレジットカードで何もかも支払いができるわけではないので現金もある程度必要です。
先ほど挙げたクレジットカードも、キャッシングになると3%の手数料+利子がかかるので現金は別の方法で確保する必要があります。
*日本に住んでいる場合
私がやっているのは新生銀行で受け取るという方法です。
こちらにあるように、新生銀行では手数料0円で外貨を受け取ることができる(2020年現在では受取手数料が18ドルに値上がりしたようです。しかし一定額を
新生銀行に預けたりすることでゴールドメンバーになると現在でも実質無料で外貨受け取りができるようです。)ので、こちらにアメリカの口座から送金します。
日本国内にいる限り、コンビニや郵便局など大抵のところでATM手数料もゼロなので新生銀行はお得だと思います。
手数料0円で外貨を受け取れることがわかったので、送金手数料ゼロでUSドルを送り出せれば、手数料ゼロで海外送金ができることになります。
アメリカの送金方法にはACHとWire Transferの2種類があり、ACHは数日かかるが手数料は無料、Wire Transferはすぐに届くが手数料がかかるという特徴があります。
アメリカで普段暮らしている限りACHで不便を感じることはありませんが、国際送金は必ずWire Transfer扱いになってしまうので、基本的には手数料がかかります。
しかしWire Transferが無料でできるサービスは存在します。
私はInteractive Brokersというオンライン証券会社を使って投資をしていますが、こちらでは月に一度の送金は無料 (“IB allows one free withdrawal request per calendar month”) なので、これを利用すると手数料無料で送金ができます。
投資を普段している方ならば、取引手数料の安いInteractive Brokersに口座を持つのは悪くないと思います。
また投資をしない方は、普段使用している銀行口座からInteractive BrokersにまずACHで送金をし、そこからWire Transferで新生銀行に向けて送金をするのがいいと思います。(ただし投資をしない場合は口座維持手数料がかかると思うので、そこはトレードオフになると思います。)
*アメリカに住んでいる場合
普段はアメリカに住んでおり、日本にはたまに来るだけという方は、こちらのBanks with no debit card foreign transaction or ATM feesにリストされているATMカードの一つを持っていると便利なのではないかと思います。
まず日本に来る直前に、普段使っている口座からそれらの口座にACHで送金しておきます。
日本国内では郵便局やセブン銀行など、国際取引手数料を徴収しないATMを利用すれば、手数料ゼロで現金を引き出せるのではないかと思います。
先ほど紹介したInteractive Brokersも似たようなデビットカードを発行しており、実質手数料0.5%で日本のATMから現金を引き出すことができます。
世界はどんどん便利になっていく
福沢諭吉が晩年(1899年)に書いた自叙伝である福翁自伝には、『江戸時代末期の1860年にサンフランシスコに渡った際には、大量のUSドル紙幣を袋に詰めて船で運んだが、1899年の世界では為替手形を使って簡単に国際送金ができ便利』といったエピソードが書かれています。
今回の記事に書いたように、現在では今この瞬間の為替レートを利用して世界中で買い物ができる世界が実現しています。
仮想通貨を利用するなど、将来には今とはまったく異なる送金の仕組みが動いていて、今回の記事の内容もすぐ昔話になるでしょう。
今回の記事でみなさんのお役に立つ情報があれば幸いですし、記念という意味で、将来見返したときにおもしろいかもしれないと思い書いてみました。
↑記事をシェアしてください!読んでいただきありがとうございました。